いるか座(Delphinus)
和名 | いるか(海豚) |
学名 | Delphinus |
略符 | Del |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:20h40m / 赤緯+12° |
面積 | 189平方度 |
20時正中 | 9月26日 |
南中高度 | 約66° |
主な季節 | 夏 |
肉眼星数 | 約40個 |
いるか座
いるか座(Delphinus)は、北天の星座で、その名前はラテン語で「イルカ」を意味します。
以下は、いるか座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から北にかけて広がり、夏から秋にかけて観測が容易です。 - 面積
189平方度で、88の現代の星座の中で69番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はサーキス(Sualocin)とロティー(Rotanev)で、それぞれ3.8等級です。
主な星
- サーキス(Sualocin)
いるか座で最も明るい恒星の一つで、実際にはジョバンニ・バッティスタ・アモルティ(Giovanni Battista Amici)によって発見された新しい星です。
名前は彼の名前を逆にしたものです。 - ロティー(Rotanev)
もう一つの明るい星で、実際にはジョヴァンニ・ヴィラーニ(Giovanni Virgilio Schiaparelli)が発見した新しい星で、彼の名前を逆にしたものです。
興味深い天体
- NGC 7006
いるか座にある球状星団で、地球から約13万光年の距離にあります。 - ヴァネシアン 1(Van Maanen 1)
いるか座にある白色矮星で、地球から約14光年の距離にあります。
神話と歴史
いるか座は、古代ギリシャ神話におけるポセイドン(海神)が海の中のイルカを星座に変えたとされています。
彼らの英雄的な行動が讃えられ、星座となったとされています。
観測のポイント
いるか座は、夏から秋にかけて観測が容易で、特にNGC 7006の球状星団やヴァネシアン 1の白色矮星などが興味深い天体として観測されます。
いるか座は、その小さな面積にも関わらず、明るい恒星や興味深い天体が多く観測されることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
いるか座(Delphinus)は、ギリシャ神話に由来する星座で、主に二つの物語が関連しています。
それぞれ、音楽の神アポロンの息子であるアルケスティスと詩人アリオンの伝説です。
アルケスティスの物語
アルケスティスは、音楽の神アポロンの息子で、海神ポセイドンに仕えていました。
ある日、ポセイドンは海のニュンペであるアンフィトリーテに恋をしましたが、彼女は彼の求愛を避けて逃げ回りました。
ポセイドンはアルケスティスに助けを求め、アルケスティスはアンフィトリーテを説得してポセイドンのもとに連れ戻すことに成功しました。
ポセイドンは感謝の印として、アルケスティスを天に上げ、いるか座として星空に配置しました。
いるかは海の守護者として、またポセイドンの使者としての象徴でもあります。
アリオンの物語
もう一つの有名な伝説は、古代ギリシャの詩人アリオンに関するものです。
アリオンはその美しい歌声と竪琴の演奏で有名でした。
ある日、アリオンは船で航海中に船員たちに財産を狙われました。
船員たちはアリオンを海に投げ込もうとしましたが、彼は最後に一曲演奏することを許されました。
アリオンが演奏を始めると、その美しい音色に引き寄せられたイルカが現れました。
アリオンは演奏の後、海に飛び込み、イルカに助けられて無事に岸に戻ることができました。
感謝の意を込めて、神々はイルカを星座として夜空に置きました。
これがいるか座です。
いるか座の特徴
いるか座は、夏から秋にかけて北半球の夜空に見える小さな星座です。
形は4つの明るい星が菱形に並び、その後ろに1つの星が続く構造をしており、まるでイルカが跳ねているように見えます。
この星座には特に目立つ天体は含まれていませんが、その形と神話の背景から多くの人々に親しまれています。
いるか座は、このようにギリシャ神話と結びついた象徴的な存在であり、夜空を見上げる人々に古代の物語を思い起こさせます。