うしかい座(Bootes)
和名 | うしかい(牛飼) |
学名 | Bootes |
略符 | Boo |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:14h35m / 赤緯+30° |
面積 | 907平方度 |
20時正中 | 6月26日 |
南中高度 | 約84° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約140個 |
うしかい座
うしかい座(Bootes)は、北天の星座で、その名前はギリシャ神話の牧場労働者であるボーテース(Bootes)に由来します。
以下は、うしかい座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から北にかけて広がり、夏から秋にかけて観測が容易です。 - 面積
907平方度で、88の現代の星座の中で13番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はアルクトゥルス(Arcturus)で、-0.05等級と非常に明るいです。
主な星
- アルクトゥルス(Arcturus)
うしかい座で最も明るい恒星で、春から秋にかけて夜空で目立つ星です。 - エルアス(Eltanin)
うしかい座にある2番目に明るい星で、2.23等級です。
興味深い天体
- NGC 5248
うしかい座にある棒渦巻銀河で、地球から約60 million 光年の距離にあります。 - M3
うしかい座にある球状星団で、地球から約34,000 光年の距離にあります。
神話と歴史
うしかい座は、ギリシャ神話における牧場労働者であるボーテース(Bootes)に関連づけられています。
彼はオリオン座の狩猟者とともに夜空を彩る重要な星座の一つです。
観測のポイント
うしかい座は、夏から秋にかけて観測が容易で、特にアルクトゥルスやエルアスなどの明るい星やNGC 5248やM3などの興味深い天体が観測されます。
うしかい座は、その明るい主星アルクトゥルスと多くの興味深い天体が観測されることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
うしかい座(Bootes)は、ギリシャ神話においていくつかの異なる伝説に関連付けられています。
その中でも特に有名なのは、アルカス(Arcas)とイーカリオス(Icarius)の物語です。
アルカスの物語
アルカスは、神ゼウスとカリスト(Callisto)との間に生まれた息子です。
カリストはアルテミスのニンフであり、ゼウスの愛人となったため、ゼウスの妻ヘラの怒りを買いました。
ヘラは嫉妬のあまりカリストを熊の姿に変えてしまいました。
カリストは熊の姿のまま森で暮らし、息子アルカスも成長して立派な狩人となりました。
ある日、アルカスは森で母親である熊(カリスト)に遭遇しますが、彼はそれが母親であることを知らず、熊を狩ろうとしました。
ゼウスはこれを見て、悲劇を避けるためにアルカスとカリストの両方を夜空に星座として配置しました。
カリストは大熊座(Ursa Major)として、アルカスは小熊座(Ursa Minor)として天に置かれました。
うしかい座はこの物語に関連しており、アルカスが熊を追う狩人として夜空に描かれています。
イーカリオスの物語
もう一つの伝説では、うしかい座はイーカリオスに関連しています。
イーカリオスはアッティカ地方の農夫で、ワインの神ディオニューソス(バッカス)からワインの作り方を教わりました。
彼はワインを作り、友人や隣人たちに振る舞いましたが、その濃さと味わいに驚いた人々は、毒を盛られたと思い込み、イーカリオスを殺してしまいました。
その後、人々は自分たちの過ちに気づき、イーカリオスの死を悲しんで彼を星座として夜空に配置しました。
うしかい座は、イーカリオスがワインを運ぶ姿として描かれることがあります。
うしかい座の特徴
うしかい座は、春の夜空に見える星座で、明るい星アークトゥルス(Arcturus)を含んでいます。
アークトゥルスはうしかい座の最も明るい星であり、夜空で非常に目立つ存在です。
この星の名前は「熊の守り手」という意味を持ち、大熊座と小熊座に関連しています。
神話と星座の関係
うしかい座は、これらの神話を通じて古代の人々にとって重要な物語を伝え続けています。
アルカスやイーカリオスの物語は、家族愛や友情、誤解と赦しといったテーマを含んでおり、星座として夜空にその物語を刻むことで、これらの教訓を後世に伝えています。
このように、うしかい座はギリシャ神話の複数の伝説に関連付けられ、夜空に描かれた物語を通じて古代の知恵や教訓を現代に伝え続けています。