おおぐま座(Ursa Major)
和名 | おおぐま(大熊) |
学名 | Ursa Major |
略符 | UMa |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:11h00m / 赤緯+58° |
面積 | 1,280平方度 |
20時正中 | 5月2日 |
南中高度 | 約N68° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約210個 |
おおぐま座
おおぐま座(Ursa Major)は、北天の星座で、その名前はラテン語で「大きな熊」を意味します。
以下は、おおぐま座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から北にかけて広がり、一年を通じて観測が可能です。 - 面積
1280平方度で、88の現代の星座の中で3番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はアルクトゥルス(Arcturus)で、おおぐま座を含む部分で4番目に明るい恒星です。
主な星
- アルクトゥルス(Arcturus)
おおぐま座の北部に位置し、春から秋にかけて夜空で目立つ明るい星です。 - ダブヘ(Dubhe) と メリャク(Merak)
おおぐま座の2つの角を形成する星で、容易に見つけることができます。
興味深い天体
- M81 と M82
おおぐま座にある美しい渦巻銀河のペアで、地球から約1,200万光年の距離にあります。 - Mizar と Alcor
二重星系で、肉眼で見ることができるおおぐま座で最も有名な星です。
神話と歴史
おおぐま座は、古代ギリシャ神話において、女神カリストーと彼女を追いかける狩人アルテミス(ディアナ)に関連づけられています。カリストーは熊に変えられ、その後天空に昇り、おおぐま座となりました。
観測のポイント
おおぐま座は、特に春から秋にかけて観測が容易で、その大きさと明るい星々から、肉眼で見ることができる天体が多くあります。
特にMizarやM81/M82の銀河などが注目されます。
おおぐま座は、その美しい形と多くの興味深い天体が観測されることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
おおぐま座(Ursa Major)のギリシャ神話には、カリスト(Callisto)というニンフの物語が深く関わっています。
以下にその物語を詳しく説明します。
カリストの物語
カリストは、アルカディアの王妃リューケイオーン(Lycaon)の娘で、狩りの女神アルテミスの女性の仲間でした。
彼女はアルテミスの処女の守護者の一人であり、純潔と力強さで知られていました。
しかし、ゼウスは彼女に一目惚れし、変身の能力を使ってカリストに近づきました。
ゼウスはカリストと一緒に過ごし、彼女との間にアルカス(Arcas)という息子をもうけました。
しかし、この関係がアルテミスに発覚し、彼女はカリストを激しく罰しました。
アルテミスはカリストを熊に変え、森で野生動物として生活するようにしました。
おおぐま座の誕生
ゼウスはカリストを助けるため、彼女を熊の姿から解放しようとしました。
彼はカリストを空に浮かべ、新たな星座としておおぐま座を創造しました。
このおおぐま座は、北極星の周りを回るという特徴的な運動をする星座であり、その尾部にあたる部分が小熊座(Ursa Minor)としても知られています。
アルカスの物語
カリストとゼウスの息子であるアルカスも重要な役割を果たします。
成長したアルカスは、熊として生きているカリストに偶然出会い、彼女を狩りの対象と見なしました。
彼は弓矢を手に取り、母熊に向かって放った矢で彼女を殺そうとしました。
しかし、ゼウスはそれを防ぎ、彼らを星座に変えました。
おおぐま座の特徴
おおぐま座は、北半球の夜空で非常に目立つ星座で、その形状は大きく曲がった形のくまのように見えます。
おおぐま座の中で最も有名な星はダブルスターである「ミザール(Mizar)」と「アルコル(Alcor)」です。
また、おおぐま座には多くの二重星や星雲が含まれており、天文学的にも重要な地域です。
神話と星座の関係
おおぐま座の物語は、ギリシャ神話の中でカリストとその息子アルカスの悲劇的な物語として知られています。
これらの物語は、古代の人々にとって星座が持つ象徴的な意味を理解する手助けとなり、天文学的な観察や航海に役立つ情報としても重要視されました。
このように、おおぐま座はギリシャ神話の中でカリストとアルカスの物語に由来し、夜空にその物語を描くことでその教訓と歴史を後世に伝え続けています。