かみのけ座(Coma Berenices)
和名 | かみのけ(髪の毛) |
学名 | Coma Berenices |
略符 | Com |
設定者 | ティコ・ブラーエ |
概略位置 | 赤経:12h40m / 赤緯+23° |
面積 | 386平方度 |
20時正中 | 5月28日 |
南中高度 | 約77° |
主な季節 | 春 |
肉眼星数 | 約70個 |
かみのけ座
かみのけ座(Coma Berenices)は、北天の星座で、その名前はラテン語で「ベレニケの髪」という意味です。
以下は、かみのけ座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から北にかけて広がり、春から夏にかけて観測が容易です。 - 面積
386平方度で、88の現代の星座の中で42番目に大きい星座です。 - 明るい星
かみのけ座には明るい恒星がありませんが、複数の散開星団があります。
観測
- 季節
春から夏にかけて、北半球でよく観測されますが、南半球の一部からも観測可能です。 - 主な星
かみのけ座には明るい星がないため、特に主な星はありません。
興味深い天体
- M53
かみのけ座にある球状星団で、地球から約60,000光年の距離にあります。 - NGC 4565
かみのけ座にあるエッジワイズ渦巻銀河で、地球から約30,000光年の距離にあります。
神話と歴史
かみのけ座は、古代ギリシャ神話において、エジプトの王妃ベレニケ2世(Berenice II)の髪が星座として神に捧げられたとされています。
彼女は夫のプトレマイオス3世(Ptolemy III Euergetes)が戦争から無事に帰還したことを祝って、彼女の髪をアフロディーテ神に捧げました。
観測のポイント
かみのけ座は、春から夏にかけて観測が容易です。
特に球状星団のM53や渦巻銀河のNGC 4565など、興味深い天体が観測されます。
かみのけ座は、その散開星団や銀河など、多くの天体が集まることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
かみのけ座(Coma Berenices)に関連するギリシャ神話は、以下のような物語があります。
ベレニケの髪の物語
かみのけ座は、古代ギリシャの神話において、エジプトの女王ベレニケ2世(Berenice II)にまつわる物語が由来とされています。
以下にその物語を説明します。
- ベレニケ2世の誓願
ベレニケ2世は、エジプトのプトレマイオス朝の王妃でした。
彼女の夫であるプトレマイオス3世(Ptolemy III Euergetes)が戦争に出征した際、彼女は彼の安全を祈り、神々に誓願を立てました。 - 髪の切捨て
ベレニケ2世は、彼女の美しい長い髪の一部を神々に捧げることを誓いました。
その髪は彼女の夫の戦勝を祈るための供物であり、彼女はそれをアフロディーテ(Aphrodite)の神殿に捧げました。 - 神々によって星座化
伝説によれば、ベレニケ2世の髪は神々によって空に昇って星座となりました。
この星座は後に「かみのけ座」として知られるようになりました。
この物語は、愛と献身の象徴として広く語られ、天文学的な名前や象徴が生まれた源泉となりました。
このように、かみのけ座は古代ギリシャのベレニケ2世の神話に由来するものであり、その物語は美と愛に関する象徴として知られています。