りょうけん座(Canes Venatici)/星座の基本を学ぼう②

りょうけん座(Canes Venatici)

Canes Venatici(りょうけん座)

和名 りょうけん(猟犬)
学名 Canes Venatici
略符 CVn
設定者 へベリウス
概略位置 赤経:13h00m / 赤緯+40°
面積 465平方度
20時正中 6月2日
南中高度 約N86°
主な季節
肉眼星数 約60個

りょうけん座

りょうけん座(りょうけんざ、Canes Venatici)は、北天の小さな星座の一つで、ヘルクレス座とおおぐま座の間に位置しています。
この星座の名前は、ラテン語で「猟犬」を意味し、星座図では猟師のおおぐま座を追いかける二匹の猟犬として描かれることが多いです。

特徴

  • 位置
    北天にあり、おおぐま座の南側に位置しています。
  • 面積
    465平方度で、88の現代の星座の中で38番目に大きい星座です。
  • 明るい星
    最も明るい星はα星のコル・カロリ(Cor Caroli)で、2.89等級です。

観測

  • 季節
    北半球では春から夏にかけて観測しやすい星座です。
  • 主な星
    コル・カロリ(α星)は2.89等級の二重星で、観測に適した明るい星です。

興味深い天体

  • M51(子持ち銀河)
    りょうけん座の中で最も有名な天体で、渦巻銀河として知られています。
    子持ち銀河は、小さな伴銀河(NGC 5195)と相互作用を起こしており、その美しい渦巻構造は多くの天文学者や天文愛好家に人気があります。
  • M3
    球状星団で、地球から約33,900光年の距離にあります。
    多くの星が密集しており、双眼鏡や小型望遠鏡でも観測することができます。
  • NGC 4631(クジラ銀河)
    棒渦巻銀河で、形状がクジラに似ていることからこの名前がついています。

名前の由来

りょうけん座の名前は、ラテン語で「猟犬」を意味し、猟師のおおぐま座を追いかける犬として描かれています。
この星座は17世紀にポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって考案されました。

りょうけん座は、比較的小さくて目立たない星座ですが、いくつかの有名な天体を含んでおり、天文観測において興味深い対象です。
特に子持ち銀河(M51)は、その美しい渦巻構造で広く知られています。

ギリシャ神話では・・・

りょうけん座(Canes Venatici)は、ギリシャ神話には直接関連しない星座ですが、17世紀の天文学者ヨハネス・ヘヴェリウス(Johannes Hevelius)によって命名された星座です。
彼はこの星座を「狩猟犬」として作り、天球に導入しました。
以下に、りょうけん座の背景や特徴についての詳細を示します。

りょうけん座の背景

りょうけん座は、北天の星座で、大熊座(Ursa Major)の足元に位置しています。
ヘヴェリウスは、りょうけん座を狩猟犬として配置し、大熊座を追いかけるイメージを作り出しました。

星座の特徴

りょうけん座は比較的小さな星座であり、明るい星は少ないですが、いくつかの特徴的な星や天体があります。

  1. α Canum Venaticorum(コル・カロリ)
    りょうけん座で最も明るい星で、視等級は約2.90です。
    二重星であり、地球から約110光年離れています。
    名前の「コル・カロリ」は、イングランドの王チャールズ1世を称えて名付けられました。
  2. La Superba(Y CVn)
    非常に赤い色をした恒星で、視等級は約4.82です。
    赤色巨星で、非常に明るく、目立ちます。
  3. M51(渦巻銀河)
    りょうけん座には有名な天体がいくつか含まれており、その中でも特に有名なのが渦巻銀河M51です。
    この銀河は、別名「子持ち銀河」としても知られ、美しい渦巻き構造が特徴です。
    地球から約2300万光年離れています。

星座の観測

りょうけん座は、北半球の夜空で春から夏にかけて見られます。
大熊座を目印にすると、りょうけん座を見つけやすくなります。
特にα Canum Venaticorum(コル・カロリ)は比較的明るいため、良い観測目印となります。

ギリシャ神話との関係

りょうけん座は直接的なギリシャ神話との関連はありませんが、そのイメージやコンセプトは古代の狩猟文化や神話的な象徴からインスピレーションを受けています。
古代ギリシャにおいても、狩猟犬は狩猟の重要なパートナーとされ、アーティミス(Artemis)などの狩猟の神話とも関連して考えることができます。
アーティミスは狩猟と自然の女神であり、多くの神話で彼女の忠実な狩猟犬が登場します。

ヘヴェリウスの貢献

ヘヴェリウスは、星座の命名と配置において独自の視点を持っていました。
彼は、既存の星座を補完する形で新しい星座を作成し、それらに意味や物語を持たせました。
りょうけん座もその一例であり、夜空における物語の一部として、新たな視点を提供しています。

りょうけん座は、天文学史における興味深い追加として夜空に輝いており、その観測とともに天文学者の歴史や文化的な背景を学ぶことができます。
この星座を観察する際には、古代の狩猟文化やヘヴェリウスの貢献を思い起こしながら、夜空を楽しむことができるでしょう。


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