ろ座(Fornax)
和名 | Fornax(炉) |
学名 | Fornax |
略符 | For |
設定者 | ラカーユ |
概略位置 | 赤経:2h30m / 赤緯-33° |
面積 | 398平方度 |
20時正中 | 12月24日 |
南中高度 | 約21° |
主な季節 | 冬 |
肉眼星数 | 約60個 |
ろ座
ろ座(ろざ、Reticulum)は、南天の小さな星座の一つです。
名前は「小さな網」を意味し、特に目立つ星はありませんが、いくつかの興味深い天体が含まれています。
特徴
- 位置
南天に位置しており、日本からは見ることができません。
観測には南半球の地域が適しています。 - 面積
114平方度で、88の現代の星座の中で82番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はα星(アルファ・レティキュリ)で、3.33等級です。
観測
- 季節
南半球の夏の夜空に観測しやすい星座です。 - 主な星
ろ座の星は全て比較的暗いため、観測には望遠鏡が必要です。
興味深い天体
- NGC 1313
棒渦巻銀河で、約1500万光年離れています。
特異銀河として分類されており、非常に活発な星形成領域を持っています。 - NGC 1559
棒渦巻銀河で、約5000万光年離れています。
超新星が観測されたことがあります。 - 47 Tucanae(NGC 104)
ろ座のすぐ近くにある球状星団で、非常に明るく観測しやすい天体です。
名前の由来
ろ座の名前は、ラテン語で「小さな網」を意味し、天文学で使用される測定器具であるレチクル(網目視標)に由来しています。
この星座は18世紀にニコラ=ルイ・ド・ラカーユによって設けられました。
ろ座は、小さく目立たない星座ですが、南天の観測者にとっては興味深い天体が含まれているため、観測の際には注目すべき星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
ろ座(Fornax)は、現代の88星座のひとつで、南天の星座の一つですが、ギリシャ神話には直接的な関連はありません。
ろ座(Fornax)は、18世紀のフランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカイユによって命名された星座です。
ラカイユは、南半球の星空を詳細に調査し、いくつかの新しい星座を導入しました。
ろ座もその一つです。
ニコラ=ルイ・ド・ラカイユとろ座の由来
ニコラ=ルイ・ド・ラカイユ(Nicolas-Louis de Lacaille)は、1713年にフランスで生まれた天文学者で、南半球の星空を観測するためにケープタウン(現在の南アフリカ)に赴きました。
彼は約10,000個の星を観測し、南天の星座を再編成する仕事に取り組みました。
この結果、新たな星座がいくつか生まれました。
ろ座(Fornax)はラカイユによって1745年に導入され、彼の星座図「Coelum Australe Stelliferum」に掲載されました。
Fornaxはラテン語で「炉」を意味し、具体的には「Fornax Chemica」として、化学実験に使用される炉を象徴しています。
ラカイユは多くの新しい星座を科学や技術に関連するテーマに基づいて命名しました。
このようにして、ろ座は天文学と科学技術の進歩を象徴する星座となりました。
ろ座の特徴
- 位置
ろ座は南天の星座で、クジラ座(Cetus)、エリダヌス座(Eridanus)、鳳凰座(Phoenix)などの星座に囲まれています。 - 星
ろ座には特に明るい星はありませんが、いくつかの興味深い天体が存在します。
例えば、銀河NGC 1365は棒渦巻銀河として有名です。 - 観測
ろ座は南天の星座のため、南半球で観測するのが最適です。
北半球ではほとんど見えません。
ギリシャ神話との関連性
ろ座自体にはギリシャ神話に直接関連する物語はありません。
これは、ろ座が古代ギリシャの時代には存在していなかったためです。
ギリシャ神話に基づく古代の星座とは異なり、ろ座は近代の天文学者によって導入されたため、神話的な背景がないのです。
現代の天文学におけるろ座
現代の天文学において、ろ座は科学と技術の発展を象徴する星座としての役割を果たしています。
ろ座に関連する天体や銀河の観測は、宇宙の理解を深めるための重要な研究対象となっています。
例えば、ろ座に位置する銀河NGC 1365は、星形成や銀河の進化についての研究において重要な役割を果たしています。
ろ座はその名の通り、科学と技術の象徴として現代の天文学において独自の位置を占めているのです。