いて座(Libra)
和名 | いて(射手) |
学名 | Sagittarius |
略符 | Sgr |
設定者 | プトレマイオス |
概略位置 | 赤経:19h00m / 赤緯-25° |
面積 | 867平方度 |
20時正中 | 9月1日 |
南中高度 | 約29° |
主な季節 | 秋 |
肉眼星数 | 約200個 |
いて座
いて座(Libra)は、北天の星座で、その名前はラテン語で「天秤」を意味します。
以下は、いて座についての主要な情報です。
特徴
- 位置
赤道から南にかけて広がり、夏から秋にかけて観測が容易です。 - 面積
538平方度で、88の現代の星座の中で29番目に大きい星座です。 - 明るい星
最も明るい星はザベジャ(Zubeneschamali)で、2.61等級です。
主な星
- ザベジャ(Zubeneschamali)
いて座で最も明るい恒星で、青色巨星です。 - ザーニバル(Zubenelgenubi)
いて座にある2番目に明るい恒星で、2.75等級です。
興味深い天体
- NGC 5897
いて座にある球状星団で、地球から約40,000光年の距離にあります。 - Gliese 581
いて座にある近くの恒星で、地球から約20.3光年の距離にあり、エキゾプラネットの発見に関連しています。
神話と歴史
いて座は、古代バビロニアやギリシャ神話における天秤を表しています。
これは天秤に乗った女神の姿を表現し、司法、秩序、公正などの象徴とされています。
観測のポイント
いて座は、夏から秋にかけて観測が容易で、特にザベジャやザーニバルなどの明るい恒星やNGC 5897の球状星団が観測されます。
いて座は、その明るい恒星と興味深い天体が観測されることから、天文学愛好家にとって魅力的な星座の一つです。
ギリシャ神話では・・・
いて座(Sagittarius)は、ギリシャ神話において半人半馬のケンタウロス、特に賢者ケイローンに関連付けられることが多い星座です。
この星座は、弓を引くケンタウロスの姿を描いています。
以下に、いて座に関連するギリシャ神話を紹介します。
ケイローンの物語
ケンタウロスは通常、荒々しく野蛮な存在として描かれることが多いですが、ケイローンはその中でも特に知恵と優れた技術を持つ賢者として知られています。
ケイローンは不死の存在で、アポロンやアルテミスといった神々から医術、音楽、弓術、狩猟など多くの技術を学びました。
ケイローンは、多くの英雄たちの師匠としても有名です。
例えば、アキレウス、ヘラクレス、アスクレピオス、イアソンなどが彼の教え子です。
ケイローンの運命
ケイローンの運命は悲劇的なものでした。
ある日、ヘラクレスがケンタウロスたちと戦っていた際、誤って毒のついた矢をケイローンに当ててしまいました。
ケイローンは不死であるため死ぬことはできませんでしたが、激しい痛みに苦しむこととなりました。
最終的に、ケイローンはゼウスに不死を放棄し、自分の命をプロメテウスの自由と引き換えにすることを願いました。
ゼウスはこれを受け入れ、ケイローンは死を迎えました。
彼の善行と知恵を称えて、ゼウスはケイローンを星座として夜空に置きました。
これがいて座です。
いて座の特徴
いて座は、夏の夜空に見ることができる星座で、弓を引くケンタウロスの姿を描いています。
この星座には、銀河系の中心方向が含まれており、多くの星団や星雲が見られます。
有名な天体としては、いて座A*(銀河中心の超大質量ブラックホール)や干潟星雲(M8)などがあります。
いて座は、古代から天文学と神話が交差する象徴的な存在として、人々に親しまれてきました。