りゅう座(Draco)/星座の基本を学ぼう②

りゅう座(Draco)

Draco(りゅう座)

和名 りゅう(竜)
学名 Draco
略符 Dra
設定者 プトレマイオス
概略位置 赤経:17h00m / 赤緯+60°
面積 1,083平方度
20時正中 8月1日
南中高度 約N66°
主な季節
肉眼星数 約210個

りゅう座

りゅう座(りゅうざ、Draco)は、北天の星座の一つで、北極星の近くを蛇のように巻きつく長い星座です。
りゅう座は古代から知られており、ギリシャ神話の竜ラドンにちなんで名付けられました。
以下は、りゅう座についての主要な情報です。

特徴

  • 位置
    北天に位置し、北極星を取り囲むように広がっています。
    そのため、一年中観察することができます。
  • 面積
    1083平方度で、88の現代の星座の中で8番目に大きい星座です。
  • 明るい星
    最も明るい星はγ星(エルタニン)で、2.24等級です。

観測

  • 季節
    北半球では一年中観測することができますが、特に夏の夜空に見やすい星座です。
  • 主な星
    エルタニン(γ星)はりゅう座で最も明るい星で、観測の目安となります。

興味深い天体

  • NGC 6543(キャッツアイ星雲)
    惑星状星雲で、猫の目のような形状からその名が付けられました。
    明るく、観測に適した対象です。
  • NGC 5866(スピンドル銀河)
    レンズ状銀河で、明るく、観測しやすい天体の一つです。
  • Thuban(α星)
    昔の北極星で、約5000年前のエジプト文明時代には北極星として役立っていました。

神話

りゅう座は、ギリシャ神話に登場する竜ラドンに由来しています。
ラドンは、ヘスペリデスの園の黄金のリンゴを守るために置かれた不眠の竜で、ヘラクレスによって退治されました。
また、別の神話では、ゼウスがティタン族との戦いの際に竜を天に投げ、星座にしたとも言われています。

観測のポイント

りゅう座は、北極星(ポラリス)の近くにあるため、一年中観測することができます。
特に、エルタニン(γ星)を目印にして星座の形を探すと見つけやすいです。
りゅう座は北極を囲むため、夜空でゆっくりと回転しているように見えます。

りゅう座は、その大きさと興味深い天体のため、天文学愛好家にとって魅力的な星座です。
特に、キャッツアイ星雲やスピンドル銀河は観測の際に注目すべき対象です。

 

ギリシャ神話では・・・

りゅう座(Draco)は、ギリシャ神話においても非常に重要な星座であり、いくつかの物語と関連しています。
りゅう座は、北天の星座で、夜空で非常に広い範囲を占めています。
以下に、りゅう座に関連する代表的な神話とその背景についての詳細を示します。

ラドンとヘスペリデスの園

りゅう座に関連する最も有名なギリシャ神話の一つは、ヘスペリデスの園を守るドラゴン、ラドン(Ladon)にまつわるものです。

  1. ヘスペリデスの園
    ヘスペリデスの園は、ヘスペリデスというニンフたちが管理する楽園であり、黄金の林檎の木が育っていました。
    この林檎の木は、ゼウス(Zeus)がヘラ(Hera)に贈ったもので、永遠の若さと不死を象徴する黄金の林檎を実らせました。
  2. ラドンの役割
    ラドンはこの園を守るためにヘラによって配置された百の頭を持つドラゴンで、どの方向からも園に近づく者を見逃さないようにしていました。
  3. ヘラクレスの十二の功業
    ラドンは、英雄ヘラクレス(Heracles)が遂行した十二の功業の一つである、ヘスペリデスの黄金の林檎を取る任務において重要な役割を果たしました。
    ヘラクレスはこの林檎を手に入れるために、ラドンを倒したとされています。
  4. ラドンの昇天
    ラドンはその勇敢さと忠誠を称えられ、ヘラによって天に上げられ、りゅう座として星座になりました。

ゼウスとティタノマキア

もう一つの関連する神話には、ゼウスとティタノマキア(ティタン神族との戦い)にまつわるものがあります。

  1. ティタノマキア
    この戦いでは、オリンポスの神々がティタン神族と戦いました。
    ゼウスは、オリンポスの神々を率いてティタン神族を打ち負かしました。
  2. ドラゴンの役
     一説によると、この戦いでゼウスが戦ったドラゴンの一匹がりゅう座として天に上げられたとも言われています。

星座の特徴

りゅう座は北天の星座であり、非常に長い形状をしています。
その頭部は大熊座(Ursa Major)の尻尾の近くにあり、体は天の北極を取り囲んでいます。
りゅう座の主要な星には以下のものがあります。

  1. α Draconis(トゥバン)
    りゅう座で最も有名な星の一つで、かつて紀元前3000年ごろの北極星でした。
    視等級は約3.67です。
  2. γ Draconis(エティミン)
    りゅう座で最も明るい星で、視等級は約2.23です。
    赤色巨星で、地球から約154光年離れています。

星座の観測

りゅう座は北半球の夜空で一年中観測することができます。
特に夏の夜に高い位置に上るため、観測しやすい時期です。
北極星を取り囲む形で配置されているため、北の空で見つけやすい星座です。

りゅう座の神話的背景は、ギリシャ神話における英雄的な物語や神々の戦いと深く関連しており、夜空における星々の配置に古代の物語が反映されています。
この星座を観察する際には、その壮大な神話を思い起こしながら、夜空の美しさを楽しむことができます。


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